校長室(H30)

2018年7月の記事一覧

働く力を育てる

 特別支援学校には作業班がある話をしましたが,それは社会自立を目指すことが知的障害児には必要不可欠だからです。なぜならば,彼らのほとんどは高等部を卒業したら18歳で社会に出て働かなければならないからです。ごく希に高等教育機関(大学等)に進む生徒はいますが,企業や福祉施設で働くことが彼らの進路になっています。そのために,学校では様々な教育活動を通して,働く力の育成を目指しているのです。その一つが作業学習です。作業種には農園芸,木工,陶芸,縫製,調理,紙工,清掃など,さまざまありますが,目的の一番目は働く態度と集中力です。スキルの習得は向上するにこしたことはありませんが,職業訓練学校ではないのでそれを第一の目標とはしていません。決められたルールの中できちんとそれを理解して行動できるか,集中と持続力を持って一定時間作業に取り組めるか,そして,報告や相談(質問)が的確にできるかなどを毎日の活動を通して学んでいきます。こうした3年間の積み重ねによって,社会人としての態度が身に付いていきます。特別支援学校の就労率が常に高い(希望する生徒のほぼ全員が一般就労する)こうした学習を通して働く力を育成しているからなのだと思っています。

野菜がいっぱい

 写真は本校の高等部作業班(通称あぐり)と中・高等部A課程(重度重複生徒)の畑です。知的障害特別支援学校高等部の教育課程は,社会自立を目指す観点から働く力を育てるための作業学習が主な学習になっています。他にも木工や粘土,調理や縫製,革細工や紙すきなど,その学校で生徒の実態に応じて先生方の特技を生かした様々な作業種を用意しています。その中でも農作業は,生徒の実態差が大きくても対応できる作業工程がたくさん作りことができ,野菜の生長を間近に体験しながら日々の手入れに取り組むことができるため,多くの学校にある作業主となっています。本校では,すでにタマネギやニンニク,じゃがいもの収穫が終わり,今は,キュウリやなす,トマトなどの収穫が行われている最中です。他にも,サツマイモに枝豆,長ネギ等々があり,暑い中でも頑張って農作業に取り組んでいる生徒たちです。ただ,学校には夏休みがあり,その期間は生徒による手入れができないというネックがこの農作業にはあるので,その期間は先生方が交代で手入れをして立派な野菜を作っているのです。収穫した野菜で夏野菜カレーなどを作って食べる学習も行われていて,学習の幅が広いのも農作業班の特長です。

 

スクールバスで元気に登校

 本校は,12台のスクールバスが仙台市内の青葉区や泉区などを走り,小・中学部の児童生徒(高等部の生徒の一部も含まれます)の通学の足となっています。写真は下校を待つスクールバスですが,6台しか写っていません。あとの6台は小学部校舎に配車されているのです。それは,一度に12台が本校舎で待機するスペースがなく,また,小学部と中・高等部の校舎が離れていることから効率的かつ安全に児童生徒の乗降をさせるために,バスは半分ずつそれぞれの校舎で待機しています。
 通学に要する時間は多い子どもで約1時間乗車しており,バスの中ですっかり寝てしまって,到着時にぐずりながら降りてくることもありますが,みんなバスは大好きで楽しみにしています。特別支援学校の学区は広域に設定されており,保護者の送迎には相当の負担がかかることを考えると,とても大事な教育委員会の事業であると思います。子どもたちが安全に登下校できるよう,バス運行会社と定期的に情報交換を行っています。元気にバスから降りてくる子どもたちの様子を見るたびにパワーをもらっている毎日です。

将来の自立生活に向けて

 高等部では前期就業体験がありました。3年生を中心に卒業後の就労の場を決めるための現場実習を2週間行います。それぞれの持つ力に合わせて企業実習する生徒,福祉施設や生活介護施設で体験をする生徒がいます。特別支援学校高等部の生徒にとって,学校生活3年間の学習のすべてが,卒業後の生活につながる学びとなります。写真は,それぞれの前期就業体験の活動報告会の様子です。自分たちがどんな経験をしてきたのかをみんなの前で発表することで,経験の振返りを認識させ,次の就業体験への意欲付けにつなげる狙いがあります。ほとんどの生徒がしっかり友達や先生の話に耳を傾け真剣に聞いている姿がありました。この就業体験を通して一人一人の課題も明らかになっています。学校でその課題を克服するため学びをしっかり行い,後期就業体験に望んでほしいと思います。高等部3年生すべての生徒が希望する就労先(企業や福祉施設等)に入れるよう学校はしっかり指導・支援をしていきます。